セルシスの
サステナビリティ
サステナビリティ基本方針
私たちセルシスは、「クリエイションで夢中を広げよう」をMISSION(日々果たすべき使命)とし、「一人ひとりの夢中がつなぐ、もっとカラフルな世界」をVISION(実現したい未来)として企業活動を行っています。創作活動を担うクリエイターの支援に加え、創作されたコンテンツによって世界中の皆様の夢中を広げること、及びそこから生まれる新しいコミュニティ、世代や国境や文化をこえたつながりをつくりだすことを通じて、企業価値の向上を目指すとともに持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
株式会社セルシス
代表取締役社長 成島 啓
1.サステナビリティに関する考え方とその取り組み
当社は、サステナビリティを巡る課題への対応はリスクの減少のみならず収益機会にもつながる重要な経営課題であると考えております。中長期的な企業価値の向上の観点から、これらの課題に積極的・能動的に取り組めるよう、以下のサステナビリティ基本方針を定めております。
2.ガバナンス
当社では、中長期的なサステナビリティ戦略について集中的に議論し、取り組みを推進することを目的に、 2024年1月、取締役会の下部組織としてサステナビリティ委員会を取締役会決議にて新設しました。サステナビリティ委員会は代表取締役社長を委員長とし、社内取締役及び各部門の責任者等で構成されます。サステナビリティへの対応方針・施策等は、各部門が主体となって推進し、これらの対応の進捗状況等は、必要に応じてサステナビリティ委員会を通して取締役会に報告される体制となっております。
3.戦略
①サステナビリティ全般
当社のVALUE(夢中をつくりだす3つのバリュー)や、目指す姿とその実現に向けたリスクと機会等の分析を踏まえ、当社全体で優先的に取り組むべき重要テーマとしてマテリアリティを特定し、2024年1月開催のサステナビリティ委員会にて承認しております。なお、「夢中をつくりだす3つのバリュー」は以下のとおりであります。
②人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針
当社は、従業員の活躍支援に関するマテリアリティ「フラットな組織で働きやすさと成長を支援」を定めているとおり、多様性の確保を含む人材育成と社内環境整備を重要なものと捉えております。
人材育成及び社内環境整備に関する基本方針
<人材育成方針>
技術が目まぐるしい勢いで進化し更新される今の時代において、従来の常識に縛られず柔軟に思考できるイノベーティブな組織・人材が求められています。そうした中で、自らの強みを活かして挑戦し、やり遂げる成長機会をいかに増やしていくかがセルシスの育成の大きなテーマと考えています。一人ひとりが仕事に夢中になって楽しみながら、プロフェッショナルとしての専門性と技術力を高めていきます。
<社内環境整備方針>
私たちは、国内外にサービスを広く展開し、多彩な「クリエイション」を通じて世代や国境や文化を超えたつながりをつくりだすことを目指しています。そのため、職場環境においても、フラットな組織風土を整えることが極めて重要です。各種制度や取り組みでの支援はもとより、社員一人ひとりの互いの強みを活かしあう心を育む組織風土を醸成していきます。
●組織風土改革
当社は、理念に基づくマネジメントが組織を進化させるカルチャーを生み出す土台となると考えており、組織風土改革に取り組んでおります。2023年には、MISSION、VISION、VALUEから構成される理念体系を再整理し、そ の上で理念に基づくマネジメントを行うためのマネジメントポリシーを策定しました。
●独創的な技術者の採用と育成
当社は、採用において最も重要なことは、当社の理念に共感でき、創作文化への深い理解とリスペクトを持つ人材を採用することと考えております。技術を磨き、成長を支援するため、社内技術勉強会の開催や、成果に対するフィードバックを迅速に実現するための年4回の評価を制度化して運用しております。また、当社は採用活動にとどまらず、次世代の人材育成を重視しており、大学との産学連携の取り組みは技術者の採用につながっております。
●多様な人材活躍と働き方支援
新たな良い相乗効果を生む人と人との組み合わせを考えて、組織をデザインすることを重視しております。居住地や働き方に関しては柔軟な制度を運用しており、2024年4月からは新たにフレックスタイム制を導入しました。
4.リスク管理
サステナビリティ推進に関するリスクの管理は、サステナビリティ委員会が行います。各部門が、リスク・コンプライアンス委員会と必要に応じて連携の上、個別のリスクの認識及び対応方針の策定を推進し、サステナビリティ委員会に報告します。 当該リスクは必要に応じて、サステナビリティ委員会が取締役会に報告します。
5.指標と目標
①サステナビリティ全般
戦略に記載のマテリアリティに関するモニタリング指標は以下と考えております。取り組みを進めるために目標が必要なモニタリング指標については、今後設定を検討してまいります。
マテリアリティ |
取り組みテーマ |
モニタリング指標 |
---|---|---|
テーマ① 事業開発 |
・唯一無二のソリューションの提供による新規顧客獲得 |
・クリエイター会員数 |
テーマ② クリエイター&オーディエンスの支援 |
・クリエイターが自己表現できる創作コミュニティの提供 |
・累計出荷本数 |
テーマ③ 従業員の活躍支援 |
・個を活かし合う組織風土づくり |
・女性管理職比率 |
テーマ④ 事業を通じた環境負荷低減 |
・自社のネガティブな環境インパクトを最小化 |
・自社のGHG排出量 |
テーマ⑤ 持続可能な経営の実現 |
・実効性のあるガバナンス体制 |
・取締役会出席率 |
②人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備
人的資本に係る多様性の確保については、性別・国籍・年齢等によらない積極的な採用活動を継続し、中途採用を含め、優秀な人材は管理職へ積極的に登用しております。なお、女性及び外国人の管理職については、一定程度確保されていると考えておりますが、中核人材の計画的な育成・登用により各管理職比率を高めていくことが重要であると考えております。 また、性別や年齢にかかわらず、多様な個性や価値観を持つすべての従業員が働きがいを感じながら、個人のライフスタイルやライフステージに合わせた働き方ができる環境の整備に取り組んでおります。具体的には、在宅勤務の導入、フレックスタイム制の採用や育児休業をはじめとした各種休業制度の導入と取得奨励等に取り組んでおります。
多様性に関する基本情報
指標 |
実績 |
備考(集計対象範囲) |
---|---|---|
男女別従業員数 |
男性157名、女性126名 |
連結、臨時従業員及び休職・休業者を含みます。 |
新卒・中途採用別の従業員の状況 |
新卒:男性40名、女性13名 |
連結 |
男女間賃金差異 |
68.1% |
連結 |
平均勤続年数 |
男性6年11か月、女性5年0か月 |
連結 |
女性管理職比率 |
28.0% |
連結 |
女性役員比率 |
9.1% |
当社単体、執行役員を含みます。 |
外国人従業員数 |
33名(全体に占める比率:11.7%) |
連結 |
外国人管理職比率 |
4.0% |
連結 |
育児休業・有給休暇に関する基本情報
指標 |
実績 |
備考(集計対象範囲) |
---|---|---|
年次有給休暇の取得率 |
76.4% |
連結 |
女性育休取得率 |
100% |
連結 |
男性育休取得率 |
100% |
連結 |
6.気候変動への対応(TCFD提言に沿った情報開示)
①気候変動に関する考え方
当社では、持続可能な社会の実現に向けた貢献と、中長期的な企業価値の向上が重要な経営課題であるとの認識の下、サステナビリティ基本方針に従い積極的・能動的に取り組みを進めております。 それに伴い、特に気候変動に関連するサステナビリティ課題については、TCFD情報開示のテーマごとに考え方を整理し取り組みを進めております。
②ガバナンス
当社では、気候変動を含むサステナビリティへの取り組みを推進していくためにサステナビリティ委員会を設置いたしました。当委員会は、委員長である代表取締役社長の監督の下、気候変動を含むサステナビリティに関する活動方針を検討し、その進捗状況を必要に応じて取締役会に報告します。取締役会では、報告された内容を踏まえて審議を行っております。
③戦略
当社では、事業を通じた環境負荷低減に関するマテリアリティとして「創作活動のデジタル支援でポジティブな環境インパクトを加速」を定め、気候変動を含む環境課題への取り組みを重要なものととらえております。 そこで、当社においても、気候変動に関連した移行リスク及び物理リスクが自社の事業活動に与える影響を把握し不確実な将来に対応できる事業戦略を検討・立案すべく、TCFD提言に沿ってシナリオ分析を実施しております。 今回実施したシナリオ分析においては、産業革命以前と比較し、気温が4℃上昇する世界観(4℃シナリオ)及び 1.5℃を軸として気温上昇を2℃未満に抑える世界観(1.5℃シナリオ)を設定し、2030年時点における気候変動に関連するリスク及び機会について定性的に考察・分析を行いました。今後は、自社事業への影響をさらに可視化すべく、定量的な分析の実施も検討してまいります。
|
4℃シナリオ |
1.5℃シナリオ |
---|---|---|
世界観 |
・2100年までに世界の平均気温が産業革命以前と比較して約4℃上昇する世界 |
・2100年までに世界の平均気温が産業革命以前と比較して約1.5℃の上昇に抑えられる世界 |
参考シナリオ |
IEA WEO 2023/2019 STEPS |
IEA WEO 2023/2019 NZE/SDS |
●4℃シナリオ分析
4℃シナリオにおける分析では、異常気象の激甚化・頻発化に伴い拠点の被災リスクが高まる可能性があると特定しております。拠点が被災した場合には、営業停止や資産の被害による損失が発生することが見込まれるため、今後定量的な分析を検討してまいります。
●1.5℃シナリオ分析
1.5℃シナリオにおける分析では、脱炭素社会への移行に伴い、炭素税の課税や再生可能エネルギーの需要増加による電力価格の上昇、再生可能エネルギーや省エネルギーに関する各種政策規制などが当社の操業に大きな影響を及ぼす可能性があると特定しております。これらのリスクが、将来当社に与える影響について、今後定量的な分析を検討してまいります。
一方で、脱炭素社会への取り組みが進んだ場合、省エネルギー・省資源商材の需要が増加する可能性があると見込んでおり、そのような需要に応えられる製品の提供などは、当社の機会になると特定しております。 今後、自社事 業を通して、「ポジティブな環境インパクトを加速」すべく、環境負荷低減のための取り組みを推進してまいります。
リスク項目 |
顕在化時期 |
財務影響度(定性) |
||||
---|---|---|---|---|---|---|
4℃ |
1.5℃ |
|||||
リスク |
移行 |
炭素価格(炭素税) |
事業活動で排出するScope1,2のCO2排出量に対して炭素税が課税され、ランニングコストが増加する。 |
中期~長期 |
ー |
中 |
炭素排出目標/政策 |
データセンターのゼロエミッション化・レジリエンス強化促進事業に伴い投資コストが利用料金に転嫁されコストが増加する。 |
短期~長期 |
小 |
中 |
||
再生可能エネルギーに関する政策 |
再生可能エネルギーに関する政策強化に伴い、テナントに再生可能エネルギーの設備導入があった場合に、投資コストがテナントの賃料に上乗せされコストが増加する。 |
中期~長期 |
小 |
中 |
||
エネルギーコストの変化 |
再生可能エネルギーの需要の増加や設備投資コストが価格に転嫁され、電力価格が上昇しランニングコストが増加する。 |
中期~長期 |
ー |
中 |
||
投資家の評判変化 |
環境情報開示が不十分な場合、気候変動に対するレジリエンス性への懸念等から投資が控えられ、資金調達が難しくなる。 |
中期~長期 |
小 |
中 |
||
物理 |
異常気象の激甚化 |
激甚化する気象災害により、自社拠点の被災やサプライチェーンの寸断が生じ、営業停止や販売減少による損失が発生する。 |
中期~長期 |
中 |
小 |
|
災害が多くなり火災保険料が値上げされコストが増加する。 |
短期~長期 |
中 |
小 |
|||
機会 |
炭素排出目標/政策 |
使用時のエネルギー消費の少ないアプリ、ソフトの需要が高まる。 |
中期~長期 |
小 |
中 |
|
森林保護に関する政策 |
CO2を固定する森林資源の保護の観点から、ペーパーレス化が進むことで、マンガ、イラスト等の制作現場でもソフトの需要がより高まる。また、デジタルコンテンツの需要も高まり、利用もより普及する。 |
短期~長期 |
小 |
大 |
||
再生可能エネルギー・ |
より省エネルギーなデバイスが普及する際に、搭載するアプリのライセンスの売上も増加する。 |
中期~長期 |
小 |
中 |
||
顧客行動変化 |
市場において製品ライフサイクルでのGHG排出削減が求められ、ライフサイクルでのGHG排出の少ない無形商材の売り上げが増加する。 |
中期~長期 |
小 |
中 |
顕在化時期の定義:「短期」0~3年、「中期」4~10年、「長期」11年~30年
財務影響度の定義:「大」事業に大幅な影響がある、「中」事業の一部に影響がある、「小」ほとんど影響を受けない、「―」影響なし
④リスク管理
当社では、サステナビリティ委員会において気候関連のリスクの特定・評価を行っております。特定したリスク・機会に関係する各部門は、リスク・機会に対応するための施策を実施・推進します。サステナビリティ委員会ではその進捗状況等のモニタリングを行い、気候関連のリスクの管理を行います。当該リスクに係る事項については、必要に応じてサステナビリティ委員会から取締役会に報告してまいります。
また、サステナビリティ委員会にて特定・評価された気候関連のリスクについては、リスク・コンプライアンス 委員会と連携し、他リスクとの統合をしてまいります。
⑤指標と目標
当社では、当社の事業活動によるGHG排出量の算定を行い、結果は下記の通りとなります。
|
2023年 |
|
---|---|---|
GHG排出量[tCO2] |
||
Scope1 |
3.3 |
|
Scope2 |
ロケーション基準 |
124.2 |
マーケット基準 |
85.4 |
|
Scope1, 2 合計※ |
88.7 |
※1:Scope1+Scope2 (マーケット基準)
今後は、持続可能な社会の実現に向けScope1,2の排出量削減目標やScope3の算定及び削減目標について検討を進めてまいります。