デジタルグループ グループリーダー 上野様
デジタル作画 蘇様
朝香様
黒田様
森田様
Production I.Gなどが所属する「IGポートグループ」の4つ目の制作会社として2014年に設立した株式会社シグナル・エムディ。TVアニメシリーズ「探偵チームKZ事件ノート」や各種PV、CM映像を手掛け、「デジタル作画」への挑戦を続けています。
そんなシグナル・エムディ様に、商用アニメ制作機能が搭載された「CLIP STUDIO PAINT EX」をご利用いただいた背景・効果や、アニメーション制作フローの展望についてお伺いしました。
シグナル・エムディは「デジタル作画中心で制作する」事を目的に2014年に生まれました。
私たちはその中でも「デジタルグループ」というチームで、「フルデジタル作画」に挑戦しています。使用ソフトを限定せず、あらゆるツールを使いこなせる「ゼネラリスト」を目指しています。
最初の出会いは神風動画様が制作されていた「シティーハンター」の原画、動画、仕上げをお手伝いする機会をいただいた時です。テストカットを見て、「クリップスタジオでここまで表現できるのか」と驚きました。
その後、今回のMVのアニメパートディレクションをされているkubotabeeさんから、「ももクロのMVのアニメパートをデジタル作画でやりたい」というお話をいただきました。実はkubotabeeさんもクリップスタジオを使われており、ちょうどクリップスタジオにアニメ機能が正式実装された頃でしたので、それなら使いましょうと。
3名のスタッフが携わり、一人で担当カットの原画・動画・仕上げ全てを作業しました。1名でも可能な物量だったかと思いますが、なるべくチーム全員で複数案件を並行で担当し、ノウハウを共有する体制です。
CMやPVは映像での見栄えをよくするため、後から「線の太さを変えてほしい」というリテイクがよくあります。ベクター線で制作していたおかげで、線幅修正機能を使って即座に修正対応を行うことができました。
アニメーターにとって重要な、線の入り抜き・描き味が段違いに良いです。業界に対して優しい機能が完備されていると思います。ライトテーブルやオニオンスキンといった機能が、ワンボタンで作業できます。他のソフトに同じような機能があっても、クリップスタジオにはそこに使いやすさ・分かりやすさを感じます。講座も豊富なので、調べながら作業できました。
また、ユーザーの方が作られた素材やツールも多いです。仕事で使うツールはチームで統一させていますが、自宅ではいろいろな素材やブラシをダウンロードして描いています。
アニメーションは大勢の人が携わるため、全体のスケジュールを考えながら、クオリティを維持しつつ、速く描かなくてはなりません。自分が描きたい物を描く意志が強くなると、どうしても絵が浮いてしまいます。個性を溶け込ませながら、「ここだけは負けたくない」という自分にとっての強み、聖域を作っていくことで力がついていきます。
そのためにもまずは自分が好きなアニメーターさんの絵や作品を模写し、徹底的に真似して「盗んで」いくことです。
今はSNSも普及していますので、人に自分の絵を見られることに慣れておくことも必要かと思います。
メンタル面の強さを持つと同時に、健康も大事です。
いくつもの工程を一人の人間で担当でき、表現の幅を広げられることがデジタル作画のメリットの一つだと思います。ただ紙をデジタルに変えることだけではなく、デジタル作画ならではの作り方に取り組みたいです。
極論をいうと、制作がいなくても回せるマインドを持つことも必要です。データの取り回し等も描いた人間自ら行える方がミスも減ります。
そのため弊社デジタルグループでは原則的に社員としてスタッフを採用し、どんな環境にも対応できる「ゼネラリスト」に成長してもらいます。
もちろん既存のアニメ会社様やフリーのアニメーターの方々にそれらを求めることは難しい事です。
ですので、各社様と連携・協業を進めながら、デジタル作画の制作フローを一つに決め付けずに、柔軟に対応する姿勢を持ち続けていきたい、と考えております。
ミュージックビデオのお仕事だと、音楽に合わせて絵のタイミングをそろえていく必要があります。クリップスタジオ自身には音声を読み込む機能はないので、対応できればもっと凄いことになると思います。※1
あと、リーズナブル※2であること(笑)! 機能が新しくついた分、高額化する・・・ということはしてほしくないのが正直なところですね。手を出しやすい価格帯を続けてほしいです。
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