美術学部マンガ専攻 教授 ちばてつや 様
准教授 田中誠一 様
文星芸術大学様では、2013年よりマンガ専攻の教材として「CLIP STUDIO PAINT」を導入されました。マンガとデジタルについて、ちば先生に、実際のご利用方法について田中先生に、それぞれお話をお伺いしております。
マンガ専攻開設当初、学生側は「漫画はアナログで描くもの」という認識がまだ強かったのですが、マンガの現場では、ネーム、下書き、完成原稿までもが出版 社にデータで送る流れができつつありました。学生との温度差はありましたが、現場を知る立場としては、どうしてもデジタル化は外せないと思い、熱心に勧め ていきました。
その結果、今ではデジタル授業も満席となっており、入学前からデジタルマンガ制作を行っている学生も随分と増えたと思います。
昔のマンガは、原稿を描くにもペンをふき取るにも、紙をたくさん使っていましたが、デジタルではパルプを使わないで済みます。木を倒さないで済む、デジタルはエコにつながるんですね。
また、デジタルでは、Gペン、丸ペン・・と色々なペンや何万色の絵の具、色んな道具が、たった一つのソフトに入っています。それが何度でも無限に使えます。そのように色んな道具と出会うことは、表現力が増え、より良いコンテンツが生まれることにつながります。
さらに、マンガの仕事はどうしても肉体を駆使いたしますので、目や手の病気とは切っても切れない関係にあります。そこでデジタルを取り入れることにより、作業の効率化や様々な負担の軽減につながりました。その結果、マンガ家の寿命が延びたと感じています。
マンガを描くということは、自分で世界を創れる楽しい事ですが、自分が楽しいだけではいけません。プロというものは、自分が苦しんでも、読み手を喜ばせたい、感動させようとするものなんですね。
マンガは台詞が無くても、たとえば犬が出てくるだけでも、心をキュンとさせることができます。言葉が無くても伝える事ができます。言葉がわからない他人同士でも、お互いの気持ちを知るキッカケにもなります。
今この瞬間にも、世界では戦争が起きています。戦争があるところには漫画が広がりません。マンガは平和なところに広がって行くのです。
デジタルの発展により、世界中のどこへでも誰にでも、マンガを届けることができるようになりました。
若者には、一刻も早くデジタルを覚えて、どんどん表現力を増やして、マンガを地球の裏側まで広げていってほしいです。
マンガの基本的な描き方はもちろんですが、近隣の市役所や民間企業から依頼される、広告、ポスターなどのイラスト・マンガの仕事も、授業に取り入れております。
その為、カラーと白黒が使える「CLIP STUDIO PAINT」は必須でした。やはり実践で使用するのが一番経験になりますね。
「CLIP STUDIO PAINT」は、レイヤーなどの法則などはっきりしている為、教えやすいです。その結果、初めてデジタルを扱う学生も、スムーズに取り入れることができています。
学生からは、3Dモデル等のデジタルならではの機能も好評ですね。わからないところがあれば、学生と一緒に調べたりもします。セルシスのサポートデスクのQ&Aが豊富ですので助かっています。
無限の可能性です。
「CLIP STUDIO PAINT」を使うことによって、予想もしない表現が出来ると思います。
今後も、マンガ家とセルシスでアイデアのキャッチボールが出来ると、良い才能が無限にも広がっていくのではないでしょうか。
以前は、クリエイティブな仕事は東京に出る事が求められていましたが、デジタル化が進んだ今では、現場から直接発信する事が可能になりました。今まで以上にリアルなものを、この宇都宮から届けていきたいです。
学生には、なにもしないで「どうにかなるさ」ではなく、出来ることをすべてやった上での「どうにかなるさ」という姿勢で、マンガという生き方をしてほしいと考えております。
1999年、栃木県宇都宮市に創立した、北関東唯一の芸術大学です。
美術学部では、「日本画、油画、彫刻」 「デザイン、CG・アニメーションマンガ、工芸デザイン」 「芸術理論」の3領域8専攻があります。
専攻固有のコンピュータルーム、コンピュータシステムおよびソフトを多数導入しており、その専門的なコンピュータシステムは、外部からも高く評価されております。
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